たなうらブログ ~令和の時代に、ご唱和ください~
トイレのお話
院長松坂です。
先日のこと、
ドラッグストアで買い物の際に
トイレを拝借しました。
そう、今回はトイレのお話
なので、
ご飯中、おやつ中、晩酌中、
恋人といい感じ中の方は
済んだら後でゆっくりお読みください。
上の写真にある
「オストメイト」
という単語
ご存知の方はまだまだ少ないと思います。
オストメイトとは、
写真でもカギかっこに記載があるように
「人工肛門・人口膀胱」を造られた方のことです。
我らがWikipedia先生によれば、
オストメイト(Ostomate)とは、癌や事故などにより消化管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のための開口部(ストーマ(人工肛門・人口膀胱))を造設した人のことをいう。単に人工肛門保有者・人工膀胱保有者とも呼ぶ。
との説明があります。
当院では、IBD、つまり炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の治療に力を入れておりますが、これらUC(潰瘍性大腸炎)やCD(クローン病)でも病態によっては人工肛門を造設する必要があります。
話はドラッグストアに戻って、
ここのトイレ
実に素晴らしい!!
空港や最近できたショッピングモールなどでは、
この仕様のトイレがだいぶ増えたんですけどね。
街中ではまだまだ少ない。
それが、23区外のこんなところ(表現悪っ(笑))に!
感動して、興奮して、
バシャバシャ写メ撮っちゃいました。
誰だ!トイレの中で破廉恥な写真撮ってるのは!!
そんなお叱りも受けず、無事にトイレを後にしました。
冗談はさて置き、
オストメイトにはこのようなトイレは本当に嬉しい。
僕の友人もオストメイトなので、
彼から外出先のトイレのこと、
不便や要望は聞いておりました。
この愛に溢れるドラッグストアのように
オストメイト仕様のトイレが増えることを願います。
それから
トイレの話でもう一点
下記のマークを見たことはありますか?
ハートプラスマークと言います。
ハートプラスマークとは
内臓に障害があっても、外観からは判らないため “自宅で”“電車の中で”“学校で”“職場で” “スーパーで” 「辛い、しんどい」と声に出せず我慢している人がいます。
一般社会にそんな人々の存在を視覚的に示し、理解の第一歩とするため、このマークは生まれました。
(ハートプラスの会HPより引用)
また、こんなマークもあります。
どちらのマークも
「外見からは分からない障害を持つ方」
の支援と理解を求めるマークです。
先述したUC(潰瘍性大腸炎)やCD(クローン病)も、
パッと見た外見からは分からない疾患です。
UC(潰瘍性大腸炎)では、
症状の重い活動期と呼ばれる時期には
度重なる排便の切迫感に見舞われます。
ようはウンチが我慢できない。
数分の我慢ができない。
便意を感じた瞬間にトイレに駆け込まないと
漏らしてしまう。
それ故に、電車の駅などで
トイレに駆け込む事態に陥ることもしばしば。
個室が満室で
多目的トイレ(車イストイレ)に駆け込むこともあります。
昔、こんなことがありました。
電車の中で猛烈な切迫便意に襲われ
途中下車をしダッシュでトイレへ。
個室は満室
脂汗を垂らしながら男子トイレを出て
空いていた多目的トイレに駆け込みました。
間一髪セーフ
用を足してトイレを出ると
車イスの方とその介助者の方がおりました。
僕を見るなり、介助者の方が一言
「あんたみたいな人が使うトイレじゃないんだよ」
アンタミタイナヒト・・・・・
ああ、そういうことか
僕みたいなパッと見、元気に見える人ってことか
理解に数秒かかり
理解した瞬間、物凄く悲しく悔しくなりました。
パッと見は元気でもさ、、、、
俺だってさ、、、、、
そうは思っても何も言えなかった、、、、
僕が二十歳の頃の話です。
排泄は人間の尊厳に関わる部分です。
それがコントロールできないことは、
物凄く辛い。
UC(潰瘍性大腸炎)の症状は
「腹痛、下痢、下血(粘液便)」
と言われますが、
何より辛いのはこの切迫感です。
目で見てわかる障害だけが障害ではありません。
パッと見は元気でも、
内部障害、内臓の難病を抱えている人がいます。
先の
「ハートプラスマーク」と「ヘルプマーク」
これらの認知度が高まることと
その理解が広がること
それを強く願ってやみません。