患者様の声

罹患歴20年の難治性潰瘍性大腸炎。大腸全摘出手術の宣告を受けるも、レミケードとハリ治療の併用で寛解の状態になれました!

堀川 陽子 様 ( 40代・女性・会社員 )

【病名】潰瘍性大腸炎

【罹患歴】約20年(24才で発症)

【症状】
直腸〜左側型の軽症で、約15年間、再燃と寛解を繰り返してきました。

その間の治療は、サラゾピリンやペンタサの内服および注腸、リンデロン坐剤を併用しながらコントロールしていました。

40歳を過ぎた頃から、再燃時の症状が重症化し、粘血便、下痢のほかに、紅斑結節、関節痛などの合併症も出るようになり、難治性の重症例に変化していきました。

歩くのもやっとの状態になり、H24・2月に初めての入院(1ヶ月)。

タクロリムス静注が著効し、寛解。その後、イムランとペンタサの内服を続けていましたが、H25・1月位から再燃の兆しが見え始め、3月に入ってから、粘血便、1日20回以上の下痢、貧血症状が急速に進み、ギリギリの状態だった3月下旬、たなうら治療院の門をたたきました。

 

【たなうら治療院を選んだ理由】
以前は効いた薬が、どんどん効かなくなる。また私の場合、ステロイドが効かない等、西洋的な治療に不安と限界を感じ、「何か良い方法はないか?」と、ネットでキーワード検索し、ヒットしたのが、たなうら治療院でした。

松坂先生ご自身がUCの患者であったこと、また、ホームページにUC患者の体験談が多数寄せられていたことが決め手でした。

 

【治療による症状の経緯】
初回時に、「罹患歴が20年と、とても長いので、時間がかかるかもしれない。数回で判断せず、まずは8回通ってみてください。」と言われました。

私自身、ホームページを読んで、罹患歴が長くなる程改善しにくいと知っていたので、納得の上で「まずは8回通ってみよう」と決め、週2回のペースで通い始めました。

初回、2回目と治療を受けたものの、効果を実感できないまま立っているのも辛いほどの状態になり、4月の上旬に入院を余儀なくされました。1週間入院し、レミケード静注を受けました。

退院後、3回目以降の鍼治療を、同じく週2回のペースで受け続けました。

同時期、レミケードが少しずつ効いてきたのか、鍼が効いてきたのか、あるいはその両方なのかはわかりませんが、症状は入院前に比べると、少し上向いてきましたが、相変わらず便の回数と出血が多く、排便コントロールも難しく、通勤途中で便をもらしてしまう状態は変わりませんでした。

退院して2週間後に、2回目のレミケード。その1ヶ月後に3回目、それ以降は2ヶ月おきにレミケード治療を受けながら、鍼治療に通い続けました。レミケードを点滴した直後は、毎回、明らかに調子が上向くのが実感できました。

一方、鍼のほうは、そこまで顕著な変化は正直感じられず、8回目が終わった時点と、16回目が終わった時点で、続けるか否か、非常に迷いました。

しかし、「効いているか否かは正直わからないが、少なくとも打って悪くなることはないのだし、レミケードが効いているのも、鍼と併用しているから、より効いているのかもしれない。とにかく、やれることは全てやってみよう。」という気持ちで3クール目(17回目以降)に入りました。

3クール目からは、治療時間を夜(仕事が終わった後)から昼(休日)に変更しました。

松坂先生から「仕事で疲れた状態で時間をかけて通って(約1時間の道程)きても、体への負担が大き過ぎるので、仕事がない日のほうがいい」と助言をいただき、私自身もヘロヘロの状態で通っていたので、納得の上変更しました。

休日の昼に通うようになってから、松坂先生のご提案で「2度打ち」をしていただくことになりました。1回目の鍼が終わったあとに、まだ反応が強く出る部位に、2回目の鍼を打つというものです。

それだけ私の状態は悪く、1回打っただけでは反応がなくならないのだそうです。

1回打って30分置き、また打ってさらに30分置くので、時間も手間もかかります。それでも松坂先生は、「少しでも良くなるように」と、とても丁寧に親身になって治療にあたってくれました。

この頃、病院の医師からは、「レミケードは、効くまでの時間に個人差がある。一般的には、効きが遅い人でも3回打つと効いてくる。堀川さんの場合、3回打っても芳しい結果が得られていない。残念だが、大腸全摘を前向きに検討したほうがいい」と言われていました。

実際、レミケードを点滴した直後は上向くのですが、3回目の点滴から1ヶ月半が経った6月中旬頃、風邪をひいたのをきっかけに、また急激に悪化してしまったのです。CRPもはね上がってしまいました。

絶望的な気持ちになりましたが、私はどうしても大腸全摘をしたくありませんでした。

この頃から、松坂先生と私の間で、「完全寛解は無理でも、レミケードを打ちながら、“トイレにかけ込む感じ”がなくなる状態を目指してやっていこう」という目標設定を掲げました。

「今回のように、レミケードを打って1ヶ月半が経った時点で、急激に悪化するということがなく、せめて低空飛行を維持できるように鍼でサポートしていく。」と。大腸全摘を宣告された私としては、それでも十分だと思いました。

4回目のレミケードを打ち、引き続き週に1〜2回のペースで松坂先生に2度打ちをしていただきました。

そして、8月中旬。4回目のレミケードから1ヶ月半が経ち、そろそろ薬が切れてくる頃、「また急激に悪化するのでは・・・」と不安な気持ちで過ごしていましたが、結果は嬉しいことに悪くならなかったのです。

そればかりか、むしろどんどん便の回数が減り、出血が減り、かけ込む回数が減り、CRPもどんどん下がっていきました。

4回目のレミケードから、5回目のレミケードまでの間、ずっと安定した状態を保っていられたのです。「やった!!」と思いました。病院の先生からも、「この調子なら、手術はしなくてよさそうだ。」と仰っていただけました。

10月下旬の現在、6回目のレミケードを打ち、たなうら治療院には週1回ペースで通っています。

内服はペンタサとイムランです。現在の病状は、左の下腹部に違和感(にぶい痛み)はあるものの、便は1日1〜2回、ほぼ普通便、目視による出血はみられません。トイレにかけ込むことは、全くなくなりました。4月上旬の入院時に5.8だったCRPは、0.05まで下がりました。体重も戻りつつあります。常に便をもらす不安を抱え、貧血でフラフラだった頃と比べたら、夢のようです。

今の心境は、ただひとつ。「あきらめなくてよかった!」です。

松坂先生にも、「粘り勝ちだね」と言われましたが、なかなか好転しなかった私を見捨てることなく、忙しい中でも時間を惜しまず2度も鍼を打ってくれたこと、同じUC患者として、精神的な支えになってくれた松坂先生には、感謝の気持ちでいっぱいです。熱い先生です。

今後もレミケードを打ちながら、少しでも良い状態を維持すべく、鍼治療も併用していくつもりです。

手術直前まで行きながら、鍼治療を続けてギリギリのところで持ち直した・・・という経験は、私の中でひとつの大きな成功体験になっています。

 

【感想】
やはり、松坂先生が元UC患者である、ということがUCの私にはとても大きかったです。

なかなか厄介な病気で、家族でさえ、きちんと理解してもらうのが難しいなかで、「ツーカー」というか、「打てば響く」というか、「1を言えば、10理解してくれる」ところがあり、松坂先生と話すことが、精神的な支えになりました。

「わかってくれている」という安心感が大きかったです。

この安心感は、長い治療を続けていく上でのモチベーションにもなりましたし、治療効果にも少なからず影響してくる、というのが個人的な実感です。

院長から一言院長から一言

罹患歴の長さや、症状の激しさから、ハリ治療によって改善できるか否か、何とも難しい状態だった堀川さん。

諦めずに頑張って頂いた甲斐あって、今では寛解と呼べる状態になりましたが、ここまで来るには長い道程でした。

堀川さんの例においては、病院の治療とハリの治療、まさしく東西の医療の併用によって、良い効果が出たのだと実感しております。

「どちらかの治療を選ぶ」というのではなく、双方の医療の利点・弱点を理解し、利点を活かしながら弱点を補えるように併用することで、堀川さんのような難治例でも寛解へ導くことが出来る、と改めて確信致しました。

満足な効果が見られなかった時期は、不安な気持ちが多分にあったでしょう。その中でも、最後まで信じて共に頑張って治療に臨んで頂けたこと、私も感謝の気持ちでいっぱいです。良い状態を維持できるよう、これからも共に頑張りましょう!

院長から一言